2010年11月26日金曜日

まがいもの

まがいもの、とは本物とは違うけれど、本物に良く似せて
作ってある物のことを言うそうです。

私も夫もこの「まがいもの」には厳しい目を向けがちです。

「まがいものを持つぐらいなら何もない方がよっぽど良い」
と思ってしまうので、上海での生活が辛かった理由の
ひとつはこれもあるかと思います。

有名だとか、ブランドだとか、そういうことではなく、
心のこもった、想いのつまった、愛情に溢れたもの。
創意工夫されたものや、さすがプロという物は大好き♪

そういうものを見ていると、そして手にすると
本当に幸せに思います。


私達夫婦は"食"にこだわりが強い方だと思います。
食、というより素材がまがいものではないか、という点が
とても気になります。


大量生産、大量消費の現代。
本物をまねたまがいものがたくさん出回っています。


例えばお醤油や味噌、それに納豆なども日本が誇る
発酵食品です。

クッキングークルでは皆さんと一緒にお味噌作り
をしますので、メンバーの皆さんはお味噌が出来上がる
までには一定の「時間」が必要だ、ということを
知っていらっしゃると思います。

「時間」が育んでくれる美味しさ。
目に見えない微生物や「時」の力を借りて、美味しい
お味噌が出来ます。はじめてお味噌を作った方はみなさん
すごいなあ、って感動します。

そんなお味噌が、人工的に処理することで時を経ずに
出来てしまう。これがスーパーマーケットに並ぶお味噌
達が辿って来た現実です。

お醤油も、お酒も、時間と手間をかけないまがいものが
たくさんあります。とても残念です。


手間と時間をかけた物は安くはありません。私が愛用
している丸中醤油は、900mlで1,260円します。スーパーで
買える醤油の4倍はするでしょう。





経済的に「そんな高い醤油を買うのは無理」と思う
方も少なくないかと思います。

大事なのは、自分が選択しているものがどういう品物なのか、
ということをきちんと理解しているかどうか、だと思うのです。

私も、中華料理用の煮豚のたれを作る時はさすがに
丸中醤油は使いません。1.8L入りのものを購入します。
(それでも、いくつかの中から納得したものを買ってます)

でも、普段のお料理をするときには丸中醤油を使います。
このお醤油を加えた後で味見をする瞬間、いつも感動
します。あ~、美味しい、幸せ、って思います。


自分が、家族が、そして自分にとって大事な人たちが口にする
食べ物を作る時、「安いから」とか「まあまあこんな味なら」
とか「手軽だから」という理由で品物を選択することについて
どう思いますか?


以前友人とお話していた時、びっくりしたことがありました。
「一人暮らしで、自分の作ったものは自分で食べる、だから、
美味しくても美味しくなくても別に・・・『まずっ』って思って
食べることもある」


自分で料理をすることの楽しみは、自分の好きな味に自由に作る
ことが出来るということです。また、家族に作る時は、家族の
ことを思いながら、今日はこんな味の方が喜んでくれるかな?
疲れて帰ってくるから、ちょっと塩を多めにしようかな?とか
考えて調理することが出来ます。

「美味しい!」って思える料理をたべると幸せになります。
これは、誰もが感じる間違いない幸せです。

彼女の話を聞いて"もっと自分を大事にしてほしい!"と心から
思いました。”自分なんて、こんなもん、こんな食事がふさわしい
人間なんだ”、って言っているようなものだと感じたからです。


大学生のころ、夫に言われた言葉があります。

「自分を幸せに出来る人じゃなきゃ、他の人と一緒にいて幸せに
なんかなれるはずがない」

私はとかく、周りの人がどう思うかとか、周りの人に
嫌なことをしないように、とか発想をする人でした。
そんな私にとってはこの言葉は衝撃でした。

「その通りだ」と思いました。


自分が食べるもの、自分の傍に置くもの、自分が使うのも、
は100%自分が納得したものが良いな、と思います。

いつも完璧なものでなくてはいけない、ということでは
ありません。「今回はこういう目的で使うから、このぐらいの
品質でこの値段だったら納得」という風に自分なりにその選択が
満足である、ということが大事だと思います。

それは自分が常に「幸せ♪ 満足♪♪」という満ち足りた気持ち
で居られるための大事なポイントです。 

そしてその選択は「自分の」感覚でなくてはなりません。
あの人が持ってるから、あのブランドだから、流行っているから・・・
きっかけがそうだとしても自分の感覚にしっくりくるなら問題
ないでしょう。

でも、自分が心地よい、と思える感覚さえ分からなくなって、
周りの価値観に踊らされるなら、それは自分が感覚として納得
しているわけではないのです。



私たち夫婦がまがいもの、に厳しいのは、それが自分の
一部になった時に、自分の”幸せ感”に非常に大きく影響する
からです。

自分が幸せでないとき人はどういう行動をするか?

それは、簡単です。

幸せではない自分と同じような思いを人に味わわせたい、と
思ったり、人をねたんだり、傷つけるようなことを言ったり、
攻撃したりします。

だから、いつでも自分が自分を幸せにする努力を惜しまないことは
自分のためだけでなく、周りの人のため、大きく言ってしまえば
平和のためにとってもとっても大事なことだと思います。


こんな風に思いながら生活出来ること、本当にありがたい、
感謝です。


自分がおいしいな、と思う食材が買えること。
自分が素敵だな、と思う器で食事が出来ること。
自分が快適だな、と思うおうちで過ごせること。


「充実した毎日を過ごす秘訣は日常の中に小さな幸せを
たくさん見つけること」ってどなたかがおっしゃってました。

まさに私も同じように感じます。

ありふれた普段の生活のなかに、あっちもこっちも
心地さを感じらる。そういう1日1日の積み重ねって良いですよね。

綺麗に片付いたおうちが気持ち良いのもそのせいだろうな。

片付け、掃除が苦手な私はそこんとこ頑張らなくては(^^♪


✾✾✾✾✾✾✾✾✾✾✾✾✾


今日は友人と一緒に夕食。
旦那さまのいるNYに旅立つ前に一緒にお寿司を愉しみます。

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kominka

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