2011年6月24日金曜日

「正しい」あたりまえ

昨日の夜、友人に誘ってもらって被災地応援ファンド
説明会に行ってきました。

ファンドの仕組み自体には少し疑問がありますが、
「ファンドの説明会」に行く、というよりも、「被災地の
方たちの生の声を聴く」ために出かけたという感じです。

3月11日を境に一変した世界を生きておられる方たち。
その方のお話を拝聴しながら、あの未曾有の天災の中に
身をおいた方たちなのだなあ、と感慨深かったです。

おひとりお一人のお話の中にいろいろと考えさせられる
言葉がありました。

中でも印象に残ったお話があります。


斉吉商店の専務取締役の斉藤さん。




お話の中で

「少し前までは、『失ったあたりまえの生活を何とか
取り戻したい」と思っていたけれど、最近ふと「今まで
のあたりまえは『正しいあたりまえ』だったんだべか?
と思うのです。今までのあたりまえを一度考え直し
新たなつながりや、新たな関係を築きながら自分たちが
出来ることから商売を立て直していきたい」という
言葉がありました。

この言葉は私の心の中にすーっと入っていきました。


今回の震災で振り返ることも辛いほどの被害を
受けられた方たち。しかし、それでもなお、今までの
「あたりまえ」に囚われずに、今考えられる最良の
「正しい」道を模索され、選ぼうとされている。


素晴らしいなあ、と心が揺り動かされました。


瞑想はこの世の全てが「無常」あることを知る訓練です。
すべてのものは移り変わっている、という事実を
一瞬一瞬自分の体の感覚を使って思い知る。

諸行無常、といわれます。

そして、先日のブログで書いた「無知である自分を滅する
努力
」が続けられるとき、その知恵に支えられ、今の自分
にとって「正しい」「最良の」決断をすることができる
ようになる。

無常を知り、そして同時に自分の持つ最大限の智慧を礎に
一瞬一瞬懸命にしていく努力、決意、忍耐、行動。

これが「正しい前向きな生き方」なんだろうなあ、と
お話を聞きながら思いました。



そして、もう一人素敵な人だなあ、と思った方。

星のり店の星さん。



笑顔が素敵な漁師さん。
この方がこんなお話をされました。

「今回のことで、海を悪く言う漁師はいないんだ。
今まで海に恵み、とか、癒しとか、をもらっていたから
なんじゃないかな。」


自然は私たちに恵みを与えてくれる。
そして、ときにすべてを奪っていく。

これが自然のありのままの姿なんだと、今回改めて
思い知りました。私はそれをテレビの画像を通して
見ただけだけれど、海と共に生きてきた人が目の前で
話してくださった言葉はとても深く心に響きました。


「自然に」とか「自然体で」とか言うけれど、自然って
優しいばかりじゃないよね。

無常であることをすべてありのままに受け入れること。

時には厳しい現実や、時には喜ばしい現実がある。でも
それは私が「これは厳しい」とか、「これは喜ばしい」とかって
判断しているだけ。事実は一つ。

この事実をどう受け止めてどう生きていくのか。
それは一人ひとりさまざま。

昨日の夜のひと時、被災地で、その現実の中で、前を向いて
生きている方たちのお話を聞かせていただきました。

経営者のおひとりおひとりがこの現実をどう受け止めているのか、
という生き様をありのままに見せていただけたようで、とても意義
深い時間でした。

これから長く続く復興への道。
長く、忘れることなく、心を寄せていきたいです。

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kominka

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