2013年1月17日木曜日

「生き方」

先日のブログで日経ビジネスに掲載されたの稲盛和夫さんの
言葉を引用させていただきました。

稲盛さんは言わずと知れた方ですが、2004年に刊行された
「生き方」という本は、日本のみならず、中国でも大変人気が
あるそうです。




「人としての正しい生き方」を語った本。

日経ビジネスのインタビューには、賄賂や横領が蔓延る中国で
なぜこの本がウケルのか。それは、中国人―その中でも権力に
よって多くの金を得ている人たち自身―が、その生き方に疑問
を感じながら生きてるからではないか、と書かれていました。


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中国上海に暮らした2年間は、二言三言では言い表せない多くの
経験をさせてもらった時間でした。でも、あえてまとめるとすれば
多くの葛藤に悩み苦しんだ時間であり、しかしそのことを心の底
からから感謝しています。

点心を学んだり、布市場やセーター屋さんで服のオーダーをしたり、
中国茶の深さを知ったり、と楽しいこともありました。ですから、当時を
知る友人には「何がそんなに辛かったの?」と聞かれることも少なく
ありません。

「何がそんなに辛かったのか?」

何年もたって、それがようやく分かってきました。
それは「人として正しく生きるってなんだんだ!!」という、問題提起を
あらゆる場面で突きつけられていた時間だったからだと思います。

嘘をつく。
人をだます。
自分を守るためや、お金を少しでも多く得るために。

大声で人を罵る。
人前でも構わず人に手をあげる。物を投げつける。
感情を露わに、自分の主張をするために。

偽物を平気で売る。
ばれないように細心の注意を払い、
取り締まりがあれば、我先にと隠れる、逃げる。

日々経験することの一つ一つがまるでボディーブローのように
私の心にパンチを食らわせて、やがて「自分が人として
壊れていっている気がする」と感じるようになりました。

平気で大声を上げ、怒り、目の前の人に笑顔を向けられなく
なった自分。こんな人間ではありたくない。この思いは
私だけでなく、夫も同じように抱いていました。
そして、出会ったのが「ヴィパッサナー瞑想」でした。

とはいっても、友人に軽く話を聞いて、何の気なしに申込んだ
のがはじまり。まさか私が求めていた「正しい生き方」の
道がこんなにパーフェクトに示された修行だとは、これっぽっちも
思っていませんでした。

悟りへの道―八正道―に、何の気なしに出会えてしまった
私たちの運の良さには、自分たちでもびっくりですが、その
道の先にあるゴールには”何の気なしに”たどり着けはしない、
ということを日々噛みしめています。


中国で過ごした時間のお蔭で、私は自分が人としてどう生きたい
のか?という問いかけをもらえたし、自分の生きる道に灯を
燈してくれる瞑想法への導きをもらった。

これはなによりの贈り物。本当に心の底から感謝してる。

今思えば、中国で私の受けたボディーブローは日本でも
日常茶飯事起きていること。たまたま私はそういう出来事を
中国の地で経験しただけのことだ。

だから、稲盛さんの本は日本でも大反響なのだろう。
日本人も、いや人間なら誰でも「正しく生きたい」って
心の底で思ってるのだから。

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kominka

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