2011年12月20日火曜日

巡り会えたね。

東京生まれ&東京育ちの私が”いつか田舎暮らしをしたい”
と思うようになったのは、いつからだったか全く覚えていないのですが、
一つ確かなのは夫の影響だろう、ということ。

自然を楽しむ、ということを全く知らなかった私。
そんな私に、その楽しさを教えてくれました。

大学生の時は多摩川の河原を歩きながら草の名前や
花の名前、木の名前を教えてくれて、動物や昆虫のことを
たくさん話してくれました。

結婚してメルボルンに住んだ時も、時間があれば外に
出かけ、裸足で歩き回って(そう、メルボルンでは街中でも
裸足で歩いている人がいるんです、そのおおらかさが大好き♪)
、公園では芝生のくすぐったい感触を、そして街中では夏のアス
ファルトの焦げるほどに熱い感覚を楽しんだりしました。

海に行けば服が濡れるのも気にせずに水と戯れて、車の窓に
ジーンズを挟んで乾かしながら帰ってきたこともありました。

ロンドンに住んだ時も草ぼうぼうの庭をきれいに手入れしたり、
毎週のようにゴルフに出かけては、イギリスの郊外の素晴らしい
田園風景に癒されました。

そうしているうちに、私は自然に田舎に暮らす豊かさに惹かれて
いきました。いつか田舎に暮らしたい、その思いは私たちの
根底にずーーーっと流れている思いでした。

ロンドンに住んでいるときに出会った一つのテレビ番組が、その
思いを決定的にしました

"River cottage"

Mr. Hugh Fearnley-Whittingstallという一人の男性(元プロのシェフ)
が1998年にDorsetというイギリスの田舎町に行き、畑を耕し、豚や
鶏を育てながら生活してく、というドキュメント番組です。

料理が得意な彼は、自分で作った農作物や漁や狩りで手に入れた
物を美味しそうな料理に仕上げ、自分の、そして周りの人の食卓に
貢献していました。

この番組のDVDは私たちの大のお気に入りで、時々鑑賞しては、
いつか、自分たちもこんな生活がしたいな~と思っていたのでした。


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ここ数か月の急転直下の出来事ですが、素敵な古民家に
出会うことができ、先日無事に手続きが完了しました。




2-3年前に何件も見て回って、その時は良いものに出会えずに、
以来、その気持ちは少し落ち着いてしまっていました。

そして、以来私は「この先いったいどんな自分になりたい
のだろうか?」ということが見えずにいました。

田舎暮らしについても「完全に田舎に拠点を移すのか?」、それとも
「週末だけを過ごすのか?」が見えないまま。

それは、なぜかと言えば、とりもなおさず「私自身がこれから
どんな生き方をしていきたいのか?」というのが闇の中だった
からなのでした。

こういうことは考えてもダメ。だから自然に確信がもてるように
なるまでは、ただ毎日を自分に素直に生きていこう、そう決めて
過ごした数か月。

少しづつ、自分のやりたいことの輪郭が分かってきて、そして、
近所でお店をやろうかどうか迷い、やらないことに決めたのが
9月の半ば、今から約3か月前。「ここ数日の出来事」 

その直後の10月初め、なんとなくネットで物件を検索して見つけたのが
この家でした。

初めてこのお家を見に行ったとき、私はとても不思議な感覚でした。

「素敵~♪」とかって興奮することもなく。
「ここが気になる」とかいう気持ちになることもなく。

2人でおうちの縁側に座って、降りしきる雨を見ながら、
な~んにも”特別な”感覚がない自分を観察していました。

あまりに馴染んで、あまりに当たり前に気に入った時って、
こういう感じなんだな、って思いました。

そして、家や庭を見ながら嬉しそうに微笑んでいる夫を見て、
「彼はずーっとこういう暮らしがしたいって思っていたんだなあ」
と思いました。

一目見てこんなに落ち着く古民家は本当に初めてで、やはり家は
縁だなあ~と感じたのでした。

しかし、縁を感じることがまだまだ続きました。

売主さんが、今の我が家からわずか徒歩10分のところに住んで
いること。

そして、私たちが都心の拠点として新たに購入したマンションの住所は
なんと売主さんの隣の番地だったこと。

他にも嗜好や興味が様々に共通していて、もう、言葉も出ませんでした。

家にも、人にも、縁あって巡り会えた。
古民家が結んでくれた縁に感謝です。

大事に受け継がれてきたお家を、私たちも大事にしていきたいと
思っています。

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kominka

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